
第三話 「母に母乳不足のせいにされ」
退院後は私の実家に帰省しました。
私の両親にしては初孫です。同居しているまだ独身の妹も大喜びでした。
そして近所に住む幼馴染が、私より一週間早く出産をしているということで心強い仲間もいました。
しかし実家というものは、家事はしなくていいという利点はあるのですが、実母が口うるさい、ずけずけとなんでもはっきりと言うという嫌な問題もあります。
うちは初孫であるため、実母もいつも以上に神経質です。
母と勃発した赤ちゃんの食事問題
そこで勃発するのが赤ちゃんの食事問題です。
赤ちゃんが泣くたびにおむつが濡れているのではないか、お腹が空いているのではないかとやたらと確認してきます。
勿論おむつは確認して濡れていたら取り替えます。
しかし問題は赤ちゃんが空腹かそうでないかという事です。
この世代の母たちはすぐにミルクを飲ませようとするようです。
まず一番に、赤ちゃんがお腹が空いていたら可哀想という考えです。
勿論赤ちゃんがお腹を空かせているという事は可哀想ですし親として満たしてあげたいと思うのは誰だって当然のことです。
しかし、授乳練習中の私たちには、授乳がうまく出来るようになるまでは、赤ちゃんが泣いたらその都度おっぱいを吸わせるという産婦人科や育児書の教えがあります。
初めてのことですから忠実に守ります。
悔しく、焦り、劣等感を感じた
むやみにミルクをたくさん与えると母乳を飲まなくなるのでは、という不安もあり、なんとかしてうまく授乳ができるようにと、なんのコツもやり方もわからないまま、乳首をうまく捉えられず吸えない赤ちゃんににじみ出る母乳をなめさせるような形で授乳を行ったり、絞った母乳を哺乳瓶で飲ませたりしながらもミルクを与えていました。
赤ちゃんが泣くたびに、母に母乳不足のせいにされ、どれだけ悔しく、焦り、劣等感を感じたことでしょうか。
Aさんの母乳育児体験談【全11話】
- 【第1話】「出産、そして初乳まで。」
- 【第2話】「出産後三日目におっぱいに激痛が…」
- 【第3話】「実家帰省。そして母との母乳育児の認識の差」
- 【第4話】「桶谷式母乳育児相談室との出会い。」
- 【第5話】「一か月後、自宅近くでの桶谷式通院。」
- 【第6話】「なんと二か月目に乳腺炎。激痛に悩まされる日々。」
- 【第7話】「白斑・・・乳首に小さな水ぶくれ」
- 【第8話】「私が母乳育児の食事で気を付けたこと。」
- 【第9話】「一人目の断乳を終えて思うコト。」
- 【第10話】「断乳までの流れ。コツは添い乳と寝かしつけ。」
- 【最終話】「二人目の母乳育児。そしてこれから始める方へ。」