母乳育児中のタバコ・喫煙はOK?

喫煙が母乳育児にマイナスであることは明らか
母乳育児中は飲酒はもちろん、喫煙もやめるべきだということは多くの人が理解していると思います。
しかし禁煙というのはなかなか簡単にできるものではなく、妊娠前にかなりタバコを吸っていた人にとっては産後母乳育児中にも喫煙ができないことはとても大変なようです。
妊娠中はさすがに胎児への影響を気にして禁煙していても、産後どうしても我慢ができずダメだとわかっていても吸ってしまった・・・という人も少なくないようです。
喫煙をするとニコチンが母乳に・・・
飲酒をするとアルコールの成分が母乳中に出てしまうのと同様に、喫煙をするとニコチンが母乳中に出てしまいます。
母乳中のニコチンの濃度は、お母さんの血液中に吸収されたニコチンの2~3倍もの濃度で移行すると言われています。
ですので当然その母乳を赤ちゃんに飲ませることは大変な危険があります。
ある研究では喫煙してから3~5時間ほどすると母乳中のニコチン濃度は低くなるという結果が出ていますので、母乳育児中どうしても我慢できずタバコを吸ってしまった時は3~5時間程度空けて授乳するとよいかもしれません。
しかし喫煙が母乳育児にマイナスであることは明らかです。
なぜならタバコには母乳を出すためのホルモンの分泌を抑制する働きがあり、母乳の出が悪くなるからです。
本当に赤ちゃんの事を考えているのであれば、なんとしてでも禁煙することが大切でしょう。
親が喫煙をすると赤ちゃんへのリスクはとっても大きい
また喫煙後に時間を空けて授乳するなど、母乳中に移行するニコチンを可能な限り避けたとしても、お母さんが喫煙することで子どもは受動喫煙をしているのだということを頭に入れておかなくてはいけません。
親が喫煙をすることで、赤ちゃんには次のようなリスクが高まると言われています。
- 乳児突然死症候群(SIDS)
- 知能の成長発達を阻害する
- 気管支ぜんそくなどの呼吸器系疾患
- 中耳炎や難聴
その他にも、鼻炎やアトピーなどのアレルギー疾患や低身長、注意欠陥多動性障害などいろいろな病気や障害が受動喫煙をしていた子どもには起こりやすいということが分かっています。
たとえ赤ちゃんの目の前で喫煙をしていなくても、受動喫煙児の約半数の体内からコチニン(ニコチンの代謝によって生まれる物質)が検出されたというデータも出ています。
以上のことからも、禁煙が辛い気持ちはもちろん分かりますが、赤ちゃんの健康を考えるのであれば「母乳に出なければ問題ない」という考え方は改め、禁煙に向けて努力することが大切だと言えます。